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ヤーズフレックス(連続投与が可能なピル)

現代の女性は昔の女性に比べて出産が高齢化し出産回数も減っているために月経の回数が増え、月経のある期間が長くなったと言われています。月経の回数が多くなったことにより、月経困難症や子宮内膜症などの病気が増えてきたと考えられています。
月経は妊娠のためには必要なものですが、月経が順調に来ていても月経痛などのトラブルがある場合は毎月の排卵を抑えたり、月経回数を減らすなどの治療の検討も現代の女性にとっては必要です。

従来のピルは28日間の周期服用で28日に1回必ず休薬期間を設け、それに伴い月経のような出血も起こる服用法ですが、日本でもピルの連続投与が可能なピルが新たに発売されています。今回は、そのうちの一つであるヤーズフレックスについてご説明します。ヤーズフレックスは月経困難症の治療薬で超低用量のピルになります。成分はピルとして実績のある従来のヤーズと同じもので、連続投与が可能なようにパッケージが変更になっています。定期的な休薬期間がないため、休薬期間に多くみられるホルモン関連症状(骨盤痛、頭痛、腹部膨満感、乳房痛など)の減少が期待できるほか、従来のピルに比べ痛みを伴う出血日数の減少が期待出来ます(最長120日間の連続服用が可能です)

服用25日目~120日目までの間に3日間連続しての不正出血が起こらなかった場合には、連続投与可能な120日間までずっと飲み続けることが可能で、その間は消退出血(月経のような出血)は起こりません。最長で120日後に4日間の休薬が必要になるため、その休薬期間にはじめて消退出血(月経のような出血)が起こります。

ヤーズフレックスのメリットは、連続投与により月経の回数を減らすことができるようになることです。月経困難症の方や子宮内膜症で出血時に強い痛みを伴う方には、月経の回数をこれまでの毎月から、最少で年に3~4回まで減らすことが出来ますので、痛みの回数やPMSのようなつらい症状も大幅に減ります。

日本では「月経は毎月あるもの」という考えでピルを服用している方がまだ主流ですが、海外ではこのようなピルの服用方法も増えてきています。月経困難症や子宮内膜症の方で、毎月痛い思いをすることを辛く思っている方はヤーズフレックスに変えてみてください。基本的にはこれまでヤーズを服用してきた方で、「月経なんてない方がラク」と思われる方はヤーズフレックスに移行されることをおすすめ致します。しかし「毎月月経が来ないとイヤ」と思われる方は無理にヤーズフレックスへ移行する必要はありません。

ヤーズフレックスとヤーズのちがい

ヤーズフレックスとヤーズの成分は同じです。大きな違いは、従来のヤーズには4錠の偽薬が含まれますが、ヤーズフレックスには含まれないという点です。そのため投与日数が変わることと、通常のピルの適応は月経困難症だけであるのに対して、ヤーズフレックスの適応には月経困難症に、子宮内膜症に伴う疼痛の改善が加わったことです。本来なら発売されたばかりの保険適用のピルは原則1シートずつしか処方できないというルールがあるのですが、ヤーズフレックスは従来のピルと成分が同じで、薬としての実績があるという理由から発売開始と同時に3シートずつの処方が認められています。なお、値段は1シートあたりでみると通常のピルの方が高いので値上がりしたように思われるかもしれませんが、ヤーズフレックスには偽薬が4錠含まれていますので、偽薬を除いて計算した場合には1錠あたりの単価はシーズナルピルの方が安くなります。

飲み方

(服用)

  • 1日1錠、一定の時刻に毎日服用
  • 服用開始から24日間は出血の有無にかかわらず服用

(休薬)

  • 服用25日目以降、連続3日間の出血があった場合はその翌日から4日間休薬
  • 120日間連続して服用した後は4日間休

(再開)

  • 4日間の休薬期間が終わったらその翌日から服用を開始する

新しくヤーズフレックス(連続投与)を飲み始めるタイミング

他のホルモン剤から切り替えられる方

◆21錠タイプからの切り替え →
現在服用しているシートの錠剤(21錠)をすべて服用してください。

21錠飲み終え、7日間の休薬の翌日からヤーズフレックスの服用を開始してください。

◆28錠タイプからの切り替え →
現在服用しているシートの錠剤(28錠)をすべて服用してください。

(21+7・24+4)28錠すべて飲み終えた翌日からヤーズフレックスの服用を開始してください。

飲み忘れたときの対処方法

  • 飲み忘れに気づいた時は、すぐに飲み忘れていた分の1錠を服用し当日の1錠もいつもの時間に服用してください。
  • 服用し忘れが2日以内の場合には、気づいた時点で前日分の1錠を服用し、その後は当初のスケジュール通りに服用を続けてください。
  • 3日以上服用し忘れた場合は、万一の妊娠リスクを否定できないので、そのシートの残りの錠剤をのむことはやめて、次の月経を待って新しいシートの錠剤を飲み始めて下さい。

不正出血への対応

連続服用期間中に、患者様によっては不正出血が起こる可能性があります。

◆24日目までの間に不正出血が起きた場合

不正出血が3日以上続いても、そのまま飲み続けて下さい。

◆25日目~120日目までの間に不正出血が起きた場合

不正出血が3日以上続いた場合は、翌日から4日間の休薬期間を取って下さい。消退出血が起こります。
不正出血が2日以内であった場合は、休薬せずにそのまま服用を継続して下さい。

月経移動

ヤーズフレックスを服用中の方が旅行などの諸事情がある場合、月経をずらすことが出来ます。
ただし、超低用量ピルですので、中容量ピルと異なり少量の不正出血が起きて完全に出血を抑えることが出来ない場合がありますのでご理解下さい。飲み続けて2クール目以降(2回目以降の1日目~24日目まで/25日目~120日目まで)についても、下記方法を取って下さい。

◆服用後25日目~120日目までの場合

月経が当たりたくない予定の14日~10日前から4日間休薬して出血を来させておくことにより、旅行などに月経が当たらないようにすることが出来ます。(月経を早めさせる方法)
そのまま飲み続けて遅らせる方法を取った場合、旅行中に不正出血が3日以上続くと、4日目から休薬期間を取らねばならないため、月経があたってしまう可能性があります。

◆服用開始から24日目までの間

服用を継続しなければならないルールがあって休薬が出来ませんので、月経を早めさせる方法によって月経移動を行うことは出来ません。
この期間にあたる場合には、そのまま飲み続けることにより月経を遅らせる方法を取って下さい。超低用量ピルですので、患者様によっては少量の不正出血が起こる可能性がありますが、この期間は不正出血が3日以上続いても休薬せずに服用を続けて下さい。

 

服用初期のマイナートラブル

お薬を飲み始めてから最初の1~2ヶ月間は、頭痛や悪心、不正出血などのマイナートラブルが起こりやすい時期です。ほとんどの場合、服用を続けるうちに治まりますが、症状がつらいときや長く続く場合は担当医に相談してください。

ご注意

月経困難症や子宮内膜症の症状がある方で、避妊目的も兼ねて使用される場合には、毎月の出血が来なくて楽ではありますが、毎月の出血がありませんので、すり抜け投薬をしてしまった場合などで妊娠してしまった場合に、妊娠に気が付くのが遅れてしまうということのないようご注意下さい。また、月経不順が気になる方には、28日周期ではなくなってしまうので向かない場合があります。

費用

  • 再診:2,910円(再診料+1シート+薬剤情報提供料)
  • 初診:3,400円(初診料+1シート+薬剤情報提供料)

※ 保険適用のお薬のため、上記は3割負担の場合の自費負担分です。
※ 1シート増えるごとに+2,350円かかります。
※ 保険適用のピルですので、一度に3シートまで処方可能です。
※ 保険診療のため、消費税は含まれています。
※ 薬剤料(1シート)、初診料または再診料、薬剤情報提供料を含みます。
※ 指導料は特に頂いておりません。
※ 保険証をお忘れなくご持参下さい。