妊娠中の点滴、サプリメントQ&A
- つわりがひどく、食べるどころか水分の摂取もままなりません。点滴をしましょうと言われても、薬の影響が心配です。
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点滴の目的はなるべく脱水を起こさないよう水分補給をすることとビタミンの補充です。
脱水、ビタミン不足によりつわりは悪化し、全身状態に乱れを生じ、さらなる重症時には母体の脳症状(Wernick 脳症 = 意識喪失のこと)が生じることがあります。この症状を改善するため、水分と糖分、ビタミンB1・ビタミンB6・ビタミンCを補います。
また吐き気や胃酸の逆流などの症状が強い場合には、これを緩和する薬も追加します。妊娠初期は胎児の様々な器官が形成される時期ですが、薬による胎児への影響はほとんどありません。
- 妊娠中はサプリメントの服用を差し控えた方が良いのでしょうか?
ビタミンBやCは、水溶性のビタミンで、過剰に摂取しても尿に混じって排出されるため、特に問題はありません。ビタミンの中でも油溶性ビタミンであるビタミンAやDは、過剰に摂取すると体内に蓄積され、赤ちゃんに影響がある場合があると言われています。
妊娠前は気軽に飲んでいたビタミン剤も、妊娠が判明したら服用には慎重になりましょう。
とはいえ、妊娠初期はつわりがひどかったり、体重の増加に注意を払わなければならないため小食になる傾向があり、なかなか充分な栄養が食事からとれないのも事実です。
そのため、食事で十分に摂取できない栄養成分は、妊婦用サプリメントで補うことをおすすめしています。妊婦用サプリメントには、推奨されている量の葉酸が含まれている上、不足しがちな鉄分、カルシウムなども補えます。
妊婦用サプリメントの摂取については、よくビタミンAやDの過剰摂取をご心配されている方もいらっしゃるようです。しかし、通常の生活をされているのであれば、妊婦用サプリメントに含まれている量の摂取により、過剰摂取になるということはありません。
妊婦用サプリメントや葉酸は、当院にてもお取り扱いしておりますのでお気軽にお問い合わせください。