第4世代の超低用量ピルである月経困難症治療薬「ヤーズ配合錠」のジェネリック薬である「ドロエチ配合錠」があすか製薬より発売され、当院でもお取り扱いを開始しております。
ジェネリック薬ですので、「ヤーズ配合錠」と成分や容量などはまったく同じ超低用量ピルとなります。痛みの原因となるプロスタグランジンを抑えることで、生理痛のほか、腰痛、頭痛だけでなくPMS(月経前症候群)の改善にも効果があります。第四世代のピルで自然なホルモンバランスに近いため副作用が軽減されています。
また、休薬期間が4日間と短くホルモンの変動も少ないため、ホルモン消退時の症状を軽減でき、ニキビの原因となる男性ホルモンが抑えられ、ニキビ改善の効果も期待でき、むくみも起きにくいと言われています。
患者様の負担する薬価は、ヤーズの場合には1シートあたり1,930円だったものが、後発品であるドロエチの場合には840円とお財布に優しいことが特徴です。そのため、これまで超低用量ピルの「ヤーズ」に興味があったけれど、「費用が高すぎて手が出ない」と思っていらした患者様にとっては、選択肢が一つ広がることになります。
なお、副作用が軽減されたとは言え、ホルモン剤ですので、頭痛、吐き気、不正出血、血栓症などの副作用が見られることがあります。
とりわけ、血栓症については、「ヤーズ配合錠」で血栓症が疑われる症状により重篤な事態に陥った可能性があるケース(断定はされていないく、服薬していなくても起こった可能性はある。)が報告されていることから、服用にあたっては、1年に1回の採血で、血栓症を判定するDダイマーの値を調べて、安全安心な服用をお願いしております。(Dダイマーは一般的な健康診断では検査の対象外となる場合が多い項目です。40歳以上や喫煙などの高リスクの方や希望者は半年に1回の採血をお願いすることがあります)
また、 血栓性静脈炎、肺塞栓症、脳血管障害、冠動脈疾患又はその既往歴のある患者様や、血栓性素因のある患者様、血管病変を伴う糖尿病患者様、重度の高血圧の患者様、エストロゲン依存性悪性腫瘍や子宮頸癌及びその疑いのある患者様、手術前4週以内、術後2週以内、産後4週以内及び長期間安静状態の患者様、40歳以上のピルや月経困難症治療薬の初回投与の方等は服用して頂くことができません。
さらに、以下のような症状が現れた場合には、ただちに服用を停止して頂いております。
【血栓症の主な症状】
下肢の急激な疼痛,急な息切れ,胸痛,激しい頭痛,四肢の脱力・麻痺,視力障害など
なお、「ヤーズ配合錠」には連続服用が可能な「ヤーズフレックス配合錠」がありますが、 「ドロエチ配合錠」は24錠の実薬+4錠の偽薬の1シートであるため、保健適用で処方数の制限により連続投与はできません。 また、海外では避妊薬として使われている薬なので、正しく服用すれば避妊効果はあるのですが、日本では月経困難症治療薬としてのみ認可されているので、避妊を主目的としての処方はできません。
しかし、月経困難症は、月経のある女性の5人に1人に認められ、25歳未満では4割以上の女性に見られるごくありふれた病気です。
月経に伴って起こる下腹部痛や腰痛、吐き気、頭痛、疲労・脱力感、食欲不振、イライラ、抑うつなどの症状などが見られた時に、月経困難症と診断します。
したがって、このような症状がみられる方が、月経困難症の治療のために服用する場合には、避妊を兼ねることが可能です。
◆ドロエチ配合錠の費用
1シート | 2シート | 3シート | 1シート追加ごとに | |
初診 | 1,890円 | 2,730円 | 3,570円 | +840円 |
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再診 | 1,410円 | 2,250円 | 3,090円 | +840円 |
※上記は診察料+薬剤情報提供料+処方料+ドロエチ配合錠