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妊娠中のインフルエンザワクチンの接種

まずインフルエンザワクチンは「不活化ワクチン」であり、感染性はありません。国際的にインフルエンザワクチン接種による催奇形性(さいきけいせい)に関する情報でも、明らかな奇形の発生率の増加はなく、妊娠中に接種した2000例以上の情報でも、妊婦への副反応や胎児への影響は認められておりません。

したがって、妊娠中や授乳をしている方、妊娠を考えている方(特に不妊治療中の方)にもインフルエンザワクチン接種は、安全で有益性が危険性を上回るとの認識のもとに、当クリニックでは積極的におすすめしております。

日本では、かつて安全性が確立されていないとの判断から妊婦への接種を差し控えておりました。しかし、現在では国際的な流れに乗り、推奨の方向で導かれております。ただ私が国際親善総合病院にいた時は、厚生労働省の指針に基づき妊娠12週以降に行なっておりました。

また、インフルエンザワクチンの中でも様々な種類があり、妊娠中の接種に関する情報がまだ不十分なものもあります。したがって、妊婦や授乳をしている方、妊娠を考えている方は、産婦人科でワクチンの摂取を相談されることをおすすめいたします。

妊娠中のインフルエンザ感染

母体がインフルエンザに感染しても、ウィルスが直接お腹の赤ちゃんに感染したり、悪影響を及ぼすことはまずありません。

ただしインフルエンザは感染すると38度以上の高熱が出て、頭痛・腰痛・関節炎などの症状が現れます。高熱が何日も続く時は、母体の状況が悪くなり、赤ちゃんへの負担も高まるうえに、妊娠中は重症化しやすい傾向にありますので、早めに産婦人科を受診するようにしましょう。

※当院では妊婦さん向けにはチメロサールフリー(防腐剤不使用)のワクチンをご用意しております。