胎児スクリーニング検査とは
胎児スクリーニング検査とは、通常の超音波検査よりも、より詳しく胎児の状態を調べる検査です。通常の妊婦健診では、超音波検査の主に2Dの機能によって、赤ちゃんの発育や羊水量を計測していますが、胎児スクリーニング検査においては赤ちゃんの異常がないかを主に調べます。胎児超音波検査の目的は、出生前に赤ちゃんの様子を調べることにより、必要であればすぐに赤ちゃんが高度な医療を受けられる体制を整えておくことが出来ることにあります。
万が一、胎児スクリーニング超音波検査において胎児に何らかの異常がみつかった場合には、高次医療機関に精査の依頼を致します。高次医療機関で精査した結果、異常が見つかった場合には、赤ちゃんにとって最適な分娩施設を選択したり、適切な分娩の時期や方法を決定したりすることが可能になります。
心臓のお部屋がきちんと分かれているか、肺、頭部内、消化器(胃・十二指腸・腸管等)、尿路、生殖器、骨格に問題がないか、口唇裂はないか、胎盤、へその緒等々、それ以外にも実に多数の項目について、胎児超音波に研鑽を積んだ超音波検査師が時間をかけてスクリーニングを行い、長年の経験を積んだ産婦人科専門医が診断を行います。
4Dエコーと両方をご希望の患者様へ
胎児スクリーニング検査は胎児の異常を把握するための検査です。検査の目的である赤ちゃんの異常は主に2D超音波で診断する必要があるため、2D超音波における検査時間が大部分となります。検査を行う項目が多岐に渡ります上に、長時間のエコーは妊婦さんのお腹が張ったり致しますので、胎児スクリーニング検査を行うときには4Dエコーを行うことは出来ません。患者様にはご足労ではございますが、別の日に改めて4Dエコーのご予約をお取りいただき、ご来院をお願い申し上げます。
胎児スクリーニングの時期
中期スクリーニングは19週~24週が最も適している時期と言われており、異常を発見しやすい週数です。日本国内における人工妊娠中絶手術は法的に22週までしか認められておらず、このことを考慮し19週~20週までの間に検査を受ける患者様もいらっしゃいます。また、胎児が大きくなってからでないとわかりにくい異常もあり、23週~24週に検査を行う病院もあります。また、後期スクリーニングとして、27週~30週の間にスクリーニングを行うことも一般的です。
当院におかかりの妊婦さんには、19週~20週の間に1回(中期スクリーニング検査)、27~28週までの間に1回(後期クリーニング検査)の両方をお受け頂きます。
他院に通院中の患者様は、19週~30週までの間のご希望の時期にご予約をお取り下さい。中期スクリーニングと後期スクリーニングの時期に1回ずつ、合計2回の検査をお受け頂くことも可能です。スクリーニング予約枠は、他院に通院中の患者様に公開している予約枠に加えて、当院の妊婦さん用で埋まらなかった予約枠も約10日前、7日前、3日前に順次他院の患者様に公開する仕組みとなっておりますので、予約システムにてどうぞ何度かご確認ください。
検査をお受けになる患者様へのお願い
胎児スクリーニング検査は担当する医師や超音波検査士の集中力が必要とされる精密な検査になります。自費での診療ではございますが、医療行為として皆、重い責任を感じながら真摯に検査に当たらせて頂いております。そのため、ご家族様の付き添いは可能ですが、限られた時間内に十分な検査を行う目的から、胎児スクリーニング検査に限りましては検査室内での画像のご説明や質問、ご相談についてはお受けすることが出来ません。また、検査室内でのビデオ撮影やUSBへの録画などもご遠慮頂いております。さらに、胎児スクリーニングの結果については、口頭での説明のみとなり、説明の書面などを発行することは特に致しておりません。
当院の妊婦健診ではお子様連れの健診を歓迎致しておりますが、胎児スクリーニングの週数におかれましては、検査のための大切な時間であることをご理解頂き、可能であればお子様が我慢できなくなられました時に、お子様のお世話をして頂ける家族様とともにご来院いただくか、ご家族様と在宅でのお留守番をしていただきますお願い申し上げます。(通常の妊婦健診や4Dエコーではお子様同伴を歓迎しております。)
当院におかかりの患者様へ
スクリーニングの週数については、USBへの録画を行っておりませんのでご理解下さい。
他院におかかりの患者様へ
1.当院の妊婦健診においては胎児の成長を継続的に診断致します。また妊娠中期超音波検査(スクリーニング検査)では、胎児の向き等が検査に適さないと判断した場合は、翌週に再スクリーニング検査を行います。他院の患者様についてはこれらが現実的に難しいため、その週数、胎児の向き、病変の大きさで見える範囲での限定的な検査になります。さらに血液検査の結果や染色体の検査と総合的に判断すべき内容についても判断が出来ませんので、その時の胎児スクリーニング検査で判断し得る限りの範囲での検査を行います。
2. 万一、異常が見つかりました場合には、妊婦健診をお受けになっている医院・病院の先生が主治医であり、主治医の先生へのご報告が当然のことと思いますので、まずはおかかりの産婦人科医院へご報告頂き、主治医の先生のご判断のもと、適切な医療機関をご紹介頂く流れになっております。当院で妊婦健診中ではない患者様を、当院から高次医療機関にご紹介させて頂くことは原則として、ご遠慮させて頂いております。何卒ご了承下さい。
3.予約枠については当院で健診を受診の患者様が優先であるため、一部の予約枠は当院の妊婦さんのご予約がなかった時に、他院の妊婦さんへ自動的に予約システムで公開する仕組み(10日前、7日前、3日前に公開)を取っております。そのため、予約システムで空きがない場合にも、後日、空きが出ることが多くございますので、お手数ではございますが、どうぞ何度か予約システムにてご確認をお願い致します。
費用(非課税)
<当院に通院中の方>
下記ページの中期スクリーニング・後期スクリーニングの欄を御覧ください。費用の一部を妊婦健診に含めてご負担が少ないよう配慮しております。
<他院に通院中の方>7,500円/回 (多胎は10,000円/1回) ※補助券はお使い頂けません。
性別判定について
患者様がご希望の場合、性別について検査を致します。ただし、超音波検査の判定は100%ではないことをご了承下さい。また、胎児の向きや体勢等の条件によっては、判定出来ないことがあります。
検査時間
予約時間には患者様の着替えや問診の時間も含まれます。胎児の成長や発育を調べることを目的としております為、長時間撮影をすることではなく、当院の定める検査項目をすべて終了することを基準とさせて頂きます。
おことわり
当院で妊婦健診をお受けの方のスクリーニング検査においても言えることですが、胎児超音波検査で胎児の病気が、すべてみつかるわけではありません。病気によっては胎児エコーではわからない病気もたくさんあります。どんなに一生懸命にスクリーニングを行なっても生まれてみなければわからない病気が数多くあります。
さらに赤ちゃんの向きや体勢によっても見つからない場合もあります。エコーで胎児の異常が見つかる割合は50%前後と言われており、残りの50%はエコーをしても見つからないとされています。当院の超音波検査士・医師は超音波検査においてベストを尽くすように努めておりますが、残念ながら見つからなかった異常についての責任を負うことはありません。超音波検査にも限界があるということを、ご理解頂ければ幸いです。
詳しくは胎児スクリーニング検査についてよくある質問をご覧下さい