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「アリッサ配合錠」のお取り扱いを開始しております

昨年12月3日に発売が開始された「アリッサ配合錠」について、当院でもお取り扱いを開始しております。

「アリッサ配合錠」がこれまでのピルとの違うところは、一言でいうとこれまでのピルよりも副作用が少ない可能性があるということです。そもそも低用量ピルは、エストロゲンとプロゲステロン(黄体ホルモン)の合剤であるのですが、このエストロゲンの部分がこれまでの「エチニルエストラジオール」ではなく「エステトール」という新しいタイプのエストロゲンに変わったことで、まだ新しい薬剤で国内の臨床での実績が少ないので断言はできないものの、ピル特有の様々な副作用が少なくなることが期待されています。
具体的には以下の点でこれまでのピルよりも副作用が少なくなることが期待されています。


1)血栓症のリスクが低い可能性がある

アリッサ配合錠の最も大きな特徴としては、血栓症のリスクが低い可能性があることです。
低用量ピルの最大の副作用は血栓症とされています。しかしながら、アリッサは「エステトロール」という体内に存在する天然型のエストロゲンの一種を使用しているため、「エチニルエストラジオール」と比べて血栓症のリスクが低い可能性があると報告されています。
したがって、血栓症のリスクが気になっていた方(軽度の肥満の方や35歳以下の喫煙者の方など)には服用しやすくなったといえるでしょう。

※ただし、35歳以上で1日15本以上の喫煙者や血栓性静脈炎、肺塞栓症、脳血管障害、冠動脈疾患又はその既往歴のある方には投与できません。また、血管病変を伴う糖尿病の方、抗リン脂質抗体症候群の方、脂質代謝異常のある方、その他血栓性素因のある方にも投与はできません。さらにBMI30以上の方へは慎重投与となります。

2)乳がんのリスクが低い可能性がある

これまでのピルで使われていた「エチニルエストラジオール」というエストロゲンは乳房にもエストロゲンとして作用することから、乳がんのリスクが高まることが懸念されていました。それに対して、「アリッサ配合錠」は「エステトール」という種類のエストロゲンが使われています。「エステトロール」は体内に存在する天然型のエストロゲンの一種で乳房の組織に対して影響を及ぼさない可能性があるとされています。そのため、「エチニルエストラジオール」をエストロゲンとして使っているピルに比べて、乳がんのリスクを回避することができる可能性があるとされています。このように、乳腺への影響が少ないことが期待されるので、ご家族に乳腺疾患の患者様がいらっしゃる方などにも向いています。

※ただし、エストロゲン依存性悪性腫瘍(例えば乳癌、子宮内膜癌)、子宮頸癌及びその疑いのある方、及び診断の確定していない異常性器出血のある方には投与はできません。

3)肝臓への影響が少ない可能性がある

肝障害の副作用が少ないことが期待されるため、お酒を飲む方や他にもお薬を飲んでいる方にも向いています。
※ ただし、重篤な肝障害のある方や肝腫瘍のある方には症状が増悪することがあるので投与はできません。

4)アンドロゲン作用が少ない

「ヤーズ配合錠」「ヤーズフレックス配合錠」や「ドロエチ配合錠」と同じで、ドロスピレノンという第四世代のプロゲステロン(黄体ホルモン)を使用しているため、男性ホルモン作用がないため、ニキビ治療にも適しており、食欲増進や多毛といったアンドロゲン作用が少ないとされています。

 

なお、生理痛やPMSなどの月経困難症に対する効果は、他の月経困難症治療薬と同じです。

このように、「アリッサ配合錠」は、血栓症、乳がん、肝障害の副作用が少ない可能性があるピルとして非常に期待されています。しかしながら、禁忌や慎重投与の扱いについてはこれまでのピルや月経困難症治療薬と同じです。したがって、「これまでピル(または月経困難症治療薬)を服薬できなかった方が服薬できるようになる」といったものではございませんが、「家族に乳がんの既往歴の方がいてピル(または月経困難症治療薬)の服用をとまどっていた」「血栓症のリスクがあると聞いてピル(または月経困難症治療薬)服薬をためらっていた」などという方にとっては、ぜひおすすめしたいと思います。

実薬が24錠、偽薬が4錠のシートでこれまでの「ヤーズ配合錠」「ヤーズフレックス配合錠」や「ドロエチ配合錠」と同じタイプのシートです。

月経困難症治療薬ですので、月経痛や生理前のイライラなどのPMS症状に苦しんでいる患者様は保険適用となり、3割負担でおよそ1か月1500円になります。
子宮内膜症の治療効果も期待されているので、子宮内膜症のある方にも適しています。

なお、発売開始から1年未満のお薬であるので、1回の処方は1シートのみで、他の月経困難症治療薬のように3シート同時での処方はできません。